【撮影データ整理】カスタムプリセットで構築するスタジオ・チーム向け統一ファイル管理ワークフロー
DockBuddy Organizerのプリセット機能を活用し、ウェディング・商品・不動産・報道撮影の案件別テンプレートを設計。ファイル名命名規則とチーム運用のベストプラクティスを解説。

【撮影データ整理】カスタムプリセットで構築する統一ファイル管理ワークフロー
フォトグラファーやスタジオチームが抱える共通の悩み――それは案件ごとにバラバラになるファイル名と管理ルールです。
ウェディング、商品撮影、不動産、報道……撮影ジャンルが変わるたびにファイル名の付け方が変わり、チームメンバーごとにルールが違い、数ヶ月後にはどのファイルがどの案件のものか分からなくなる。そんな経験はありませんか?
この記事では、DockBuddy Organizerのプリセット機能を活用して、案件別の統一命名ルールを設計・運用する方法を徹底解説します。
プリセットが解決する「命名規則の崩壊」問題
なぜファイル管理ルールは崩壊するのか
スタジオやチームでの撮影データ整理が破綻する原因は、ほとんどの場合同じパターンに集約されます。
❌ よくある失敗パターン
メンバーA: "20260309_wedding_001.jpg"
メンバーB: "Wedding-2026-03-09-photo1.jpg"
メンバーC: "IMG_4521.CR3"(カメラのまま)
このように人によってルールが違うと、ファイル検索・ソート・アーカイブのすべてが機能しなくなります。
プリセットによる解決
DockBuddy Organizerのプリセットシステムを使えば、ファイル名のパターンと出力先フォルダをセットで保存し、いつでもワンクリックで呼び出せます。
✅ プリセット導入後
全メンバー共通: "2026-03-09_Canon-EOS-R5_f2.8_ISO400_Wedding-Tanaka_001.CR3"
→ 出力先: ~/Photos/2026/Wedding/Tanaka/RAW/
プリセットを使えば、チーム全員が同じルールでファイルを整理でき、命名規則の崩壊を防げます。
DockBuddy Organizerのプリセット機能を理解する

プリセットとは?
プリセットとは、ファイル名パターンと出力先フォルダの組み合わせを保存したテンプレートです。DockBuddy Organizerでは、以下の操作が可能です。
- プリセットの作成: 案件やジャンルごとに命名ルールを設計して保存
- プリセットの編集: 既存のプリセットをいつでも修正
- プリセットの削除: 不要になったプリセットを整理
- 出力先フォルダの個別設定: プリセットごとに異なる保存先を指定
21種類のネーミングコンポーネント
DockBuddy Organizerには、ファイル名を構成するための21種類のネーミングコンポーネントが用意されています。これらを自由に組み合わせて、最適なファイル名パターンを設計できます。
撮影日時系
| コンポーネント | 内容 | 出力例 |
|---|---|---|
date | 撮影日 | 2026-03-09 |
time | 撮影時刻 | 14-30-25 |
dateTime | 撮影日時 | 2026-03-09_14-30-25 |
カメラ・撮影情報系
| コンポーネント | 内容 | 出力例 |
|---|---|---|
cameraMaker | カメラメーカー | Canon |
cameraModel | カメラモデル | EOS R5 |
iso | ISO感度 | 400 |
aperture | 絞り値 | f2.8 |
shutterSpeed | シャッター速度 | 1-250 |
focalLength | 焦点距離 | 85mm |
画像情報系
| コンポーネント | 内容 | 出力例 |
|---|---|---|
width | 横幅(px) | 8192 |
height | 高さ(px) | 5464 |
mediaType | メディアタイプ | image |
位置情報系
| コンポーネント | 内容 | 出力例 |
|---|---|---|
latitude | 緯度 | 35.6812 |
longitude | 経度 | 139.7671 |
locationName | 場所名 | Tokyo |
ファイル情報系
| コンポーネント | 内容 | 出力例 |
|---|---|---|
filename | 元ファイル名 | IMG_4521 |
fileType | ファイルタイプ | JPEG |
fileExtension | 拡張子 | .jpg |
extensionGroup | 拡張子グループ | RAW |
構造・テキスト系
| コンポーネント | 内容 | 出力例 |
|---|---|---|
separator | 区切り文字 | _ , - |
directory | フォルダ分け | サブフォルダ作成 |
custom text | 自由テキスト | Wedding-Tanaka |
これらのコンポーネントをレゴブロックのように組み合わせることで、どんな案件にも対応できる命名パターンを作れます。
ユースケース別プリセットテンプレート
ここからは、撮影ジャンルごとに最適化された実践的なプリセットテンプレートを紹介します。それぞれのテンプレートで使用するコンポーネントの選定理由も解説します。
テンプレート1: ウェディング撮影
ウェディング撮影は長時間・大量撮影が基本。挙式・披露宴・二次会とシーンが多岐にわたるため、時系列での追跡性が最重要です。
プリセット設計
ファイル名パターン:
[date] + [separator] + [time] + [separator] + [cameraModel] + [separator] + [custom text] + [separator] + [filename]
出力例:
2026-03-09_14-30-25_EOS-R5_Wedding-Tanaka_IMG_4521.CR3
出力先フォルダ:
~/Photos/Wedding/2026/Tanaka/ + [extensionGroup]/
→ RAW は ~/Photos/Wedding/2026/Tanaka/RAW/
→ JPEG は ~/Photos/Wedding/2026/Tanaka/JPEG/
なぜこの組み合わせ?
- date + time: 挙式→披露宴→二次会の時系列を完全に再現できる
- cameraModel: 複数カメラマンで撮影する場合、誰のカメラか一目で判別
- custom text: クライアント名を含めて案件を識別
- filename: 元のファイル名を残すことでカメラ内の番号と照合可能
- extensionGroup: RAWとJPEGを自動で別フォルダに分離
運用のポイント
- JPG削除オプションを活用:RAW+JPEG同時撮影の場合、JPEGを自動削除してストレージを節約
- カスタムテキストにはクライアント名(例:
Wedding-Tanaka)を入力 - 事前にプリセットを作成しておき、撮影当日はDockアイコンにドラッグ&ドロップするだけ
テンプレート2: 商品撮影(EC・カタログ)
商品撮影は商品管理番号との紐付けが必須。撮影設定の記録も納品時に求められることが多いジャンルです。
プリセット設計
ファイル名パターン:
[custom text] + [separator] + [date] + [separator] + [aperture] + [separator] + [iso] + [separator] + [filename]
出力例:
ProductA-SKU001_2026-03-09_f5.6_ISO200_IMG_0023.CR3
出力先フォルダ:
~/Photos/Product/2026-03/ + [extensionGroup]/
なぜこの組み合わせ?
- custom text: 商品名やSKU番号を先頭に配置し、ファイル名ソートで商品別にまとまる
- date: 撮影日で時系列管理
- aperture + iso: 被写界深度やノイズの確認に使う撮影パラメータを記録
- filename: 元番号を保持してカメラデータとの照合に対応
運用のポイント
- 商品ごとにカスタムテキストを変更(例:
ProductA-SKU001→ProductB-SKU002) - 同じプリセットのベースを複製し、商品名部分だけ変更すると効率的
- 拡張子グループによる自動仕分けで、RAW・JPEG・TIFFを別フォルダに振り分け
テンプレート3: 不動産撮影
不動産撮影は物件の特定と広角レンズの使用記録がポイント。物件ごとにフォルダを分け、クライアントへの一括納品をスムーズにします。
プリセット設計
ファイル名パターン:
[custom text] + [separator] + [date] + [separator] + [focalLength] + [separator] + [width] + [separator] + [filename]
出力例:
Property-Shibuya101_2026-03-09_16mm_8192_IMG_1055.CR3
出力先フォルダ:
~/Photos/RealEstate/ + [directory: custom text]/
なぜこの組み合わせ?
- custom text: 物件名・部屋番号を先頭に配置(例:
Property-Shibuya101) - focalLength: 広角(16mm)と標準(50mm)のショットを区別。内覧用の広角写真を素早く抽出
- width: 解像度の確認。Web用とプリント用の判別に便利
- date: 撮影日で物件の状態(築年数・リフォーム前後)を記録
運用のポイント
- 物件ごとに出力先フォルダを変更し、1物件1フォルダを徹底
- HDR合成用の連番ショットは元のfilename順でソートできる
- 対応フォーマットにはJPG、HEIC、CR3、NEF、ARWなど主要なカメラ形式をすべてカバー
テンプレート4: 報道・イベント撮影

報道・イベント撮影は速報性と現場の特定が命。撮影場所と時間を即座に確認でき、デスクへの高速伝送を実現するプリセットを設計します。
プリセット設計
ファイル名パターン:
[dateTime] + [separator] + [cameraMaker] + [separator] + [cameraModel] + [separator] + [locationName] + [separator] + [filename]
出力例:
2026-03-09_14-30-25_Nikon_Z9_Tokyo_DSC_8812.NEF
出力先フォルダ:
~/Photos/Press/2026-03-09/ + [extensionGroup]/
なぜこの組み合わせ?
- dateTime: 報道では撮影の正確な時刻がメタデータとして極めて重要
- cameraMaker + cameraModel: 複数カメラマンの写真を集約する際、機材ごとに識別
- locationName: GPS情報から取得した場所名で現場を特定
- filename: 通し番号で時系列のソートに対応
運用のポイント
- イベント開始前にプリセットを切り替えておく
- DockアイコンへのドラッグだけでGPS情報付きリネームが完了するため、速報提出が高速化
- 日付フォルダによる自動分離で、日をまたぐ長時間イベントも整理可能
ファイル名設計のベストプラクティス
ここまでユースケース別のテンプレートを紹介しましたが、どのジャンルにも共通するファイル名設計の原則があります。
原則1: 大分類を先頭、詳細を後方に
✅ 推奨: [日付] → [案件名] → [撮影設定] → [元ファイル名]
❌ 非推奨: [元ファイル名] → [日付] → [案件名]
理由: ファイルをソートしたとき、先頭の要素でグループ化されます。日付や案件名を先頭に置くことで、Finderでの視認性が格段に向上します。
原則2: 区切り文字を統一する
✅ 推奨: アンダースコア(_)やハイフン(-)で統一
❌ 非推奨: スペース、日本語、特殊文字を混在
理由: スペースを含むファイル名はターミナルやスクリプトでエラーの原因になります。DockBuddy Organizerのseparatorコンポーネントを使えば、区切り文字を一貫して適用できます。
原則3: 元ファイル名を必ず残す
✅ 推奨: 2026-03-09_Wedding_IMG_4521.CR3
❌ 非推奨: 2026-03-09_Wedding_001.CR3
理由: カメラの元ファイル名を残すことで、SDカード上のデータとの照合が可能になります。万が一のデータ復旧時にも対応できます。
原則4: EXIF情報を有効活用する
DockBuddy OrganizerはEXIF情報を自動読み取りします。手入力の手間なく、撮影日時・カメラモデル・ISO感度・絞り値・焦点距離・GPS座標などをファイル名に自動反映できます。
手入力の場合: ミスが発生しやすく、時間がかかる
EXIF自動読取: 正確で一貫性のある命名が保証される
原則5: 拡張子グループで自動仕分け
DockBuddy OrganizerはextensionGroupコンポーネントにより、ファイルを拡張子の種類で自動グループ化します。
RAWグループ: CR2, CR3, NEF, ARW, RAF, ORF, RW2, DNG
JPEGグループ: JPG, JPEG, JPE, JFIF
HEIFグループ: HEIC, HEIF
動画グループ: MOV, MP4, M4V, MPEG, AVI, MTS, M2TS, AVCHD
画像グループ: TIF, TIFF, PNG, BMP, GIF
これにより、1つのSDカードから取り込んだ混在ファイルが自動的に種類別フォルダに振り分けられます。
複数案件を効率的に切り替えるワークフロー
スタジオやフリーランスでは、1日に複数の案件を処理することが珍しくありません。DockBuddy Organizerのプリセットを活用した効率的な切り替えワークフローを解説します。
ステップ1: 案件ごとにプリセットを事前作成
週の始めや月初に、予定されている案件のプリセットを一括作成します。
プリセット一覧:
├── 🟦 Wedding-Sato-0315
├── 🟧 Product-SpringCollection
├── 🟩 RealEstate-Minato201
├── 🟥 Press-MusicFestival
└── 🟪 Personal-Landscape
各プリセットにはそれぞれ異なる出力先フォルダを設定しておきます。
ステップ2: 撮影ごとにプリセットを選択
午前: ウェディング撮影
→ プリセット "Wedding-Sato-0315" を選択
→ SDカードのファイルをDockアイコンにドロップ
→ ~/Photos/Wedding/2026/Sato/ に自動整理
午後: 商品撮影
→ プリセット "Product-SpringCollection" を選択
→ SDカードのファイルをDockアイコンにドロップ
→ ~/Photos/Product/SpringCollection/ に自動整理
ステップ3: 案件完了後のプリセット管理
- 完了した案件のプリセットは削除してリストを整理
- よく使うパターンのプリセットはテンプレートとして残す
- 新規案件ではテンプレートを複製してカスタムテキスト部分だけ変更
チーム運用のコツ
チームで統一ワークフローを実現するには、以下のポイントが重要です。
- 命名規則のドキュメント化: プリセットのパターンを文書化し、チーム全員で共有
- プリセット名の命名規則:
[ジャンル]-[クライアント名]-[日付]で統一 - 出力先フォルダの構造統一: チーム共有のフォルダ階層を決めておく
- 定期レビュー: 月1回、プリセットの棚卸しと命名規則の見直し
実践例: スタジオの1日をシミュレーション
ここでは、3案件をこなすスタジオの1日を具体的にシミュレーションしてみましょう。
09:00 - 商品撮影(化粧品ブランドA)
1. プリセット選択: "Product-CosmeA-March"
2. 設定内容:
パターン: [custom text: CosmeA] + [date] + [aperture] + [iso] + [filename]
出力先: ~/Studio/Product/CosmeA/2026-03/
3. 撮影完了後:
→ 200枚のRAW+JPEGをDockアイコンにドロップ
→ 5秒で自動リネーム&仕分け完了
→ RAWフォルダとJPEGフォルダに自動分離
13:00 - 不動産撮影(港区マンション)
1. プリセット選択: "RealEstate-Minato201"
2. 設定内容:
パターン: [custom text: Minato201] + [date] + [focalLength] + [width] + [filename]
出力先: ~/Studio/RealEstate/Minato201/
3. 撮影完了後:
→ 80枚のJPEGをDockアイコンにドロップ
→ 即座にリネーム完了
→ 16mmショットをファイル名で素早く抽出して納品
17:00 - イベント撮影(企業パーティー)
1. プリセット選択: "Event-CorpParty-0309"
2. 設定内容:
パターン: [dateTime] + [cameraModel] + [locationName] + [filename]
出力先: ~/Studio/Event/CorpParty/2026-03-09/
3. 撮影完了後:
→ 500枚のRAW+JPEGをDockアイコンにドロップ
→ JPG削除オプションONでRAWのみ保存
→ 時系列順のファイル名で即座にセレクト作業へ
1日のまとめ
処理ファイル数: 780枚
整理にかかった時間: 約15秒(3回のドラッグ&ドロップ)
従来の手動整理: 約2時間
削減時間: 約1時間59分45秒
プリセットを事前に用意しておくことで、案件の切り替えはプリセット選択のみ。整理作業自体はドラッグ&ドロップで完了します。
導入とプラン
DockBuddy OrganizerはMac App Storeからダウンロードできます。
料金プラン
| プラン | 価格 | 制限 |
|---|---|---|
| Free版 | 無料 | 50ファイル/回 |
| Pro版 | ¥1,200(買い切り) | 無制限 |
個人のフォトグラファーならFree版で十分試せますし、スタジオやチームでの大量処理にはPro版がおすすめです。¥1,200の買い切りなので、月額課金なしで永続的に使えます。
DockBuddy Organizerは以下のフォーマットに対応しています:
- 写真: JPG, JPEG, JPE, JFIF, HEIC, HEIF, TIF, TIFF, PNG, BMP, GIF
- RAW: CR2, CR3, NEF, ARW, RAF, ORF, RW2, DNG
- 動画: MOV, MP4, M4V, MPEG, AVI, MTS, M2TS, AVCHD
まとめ: プリセットで「ルールのある自由」を手に入れる
カスタムプリセットの導入は、ファイル管理を属人的な作業からシステム化された運用に変えます。
この記事のポイント
- プリセットの設計: 21種類のネーミングコンポーネントを案件に合わせて組み合わせる
- ユースケース別テンプレート: ウェディング・商品・不動産・報道、それぞれに最適化されたパターン
- ファイル名設計の5原則: 大分類先頭、区切り統一、元名保持、EXIF活用、拡張子グループ
- チーム運用: 命名規則のドキュメント化とプリセット名の統一で全員同じルールに
- 複数案件の切り替え: プリセット選択+ドラッグ&ドロップで秒速整理
ファイル名の命名規則を統一し、撮影データ整理のワークフローを確立する――それがプリセット活用の真価です。
DockBuddy Organizerのプリセットは、設計の自由度と運用の一貫性を両立させます。ぜひ今日からあなたのスタジオのワークフローに導入してみてください。
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